「miit」をリピート導入いただいているTIS株式会社。2021年9月には新入社員研修として、DXビジネスユニット(内、ペイメントサービスユニット・クレジットサービスユニット)に配属された25名へ向けてプログラムを実施し、研修直後のアンケート満足度は4.68点(5点満点中)。
半年経ってから「あの時の研修は効果があったのか?」を確かめるべく、ジェネラルマネージャーの藤井隆司さんと、2021年度新入社員の新宮あかりさん、中山侑紀さんにお話を伺いました。
- プロフィール
- - TIS株式会社は、現在どんな事業をどれくらいの人数で進めているのでしょうか?
- - 300名規模の「コミュニケーション」。藤井さんはジェネラルマネージャーとしてどう実践されていますか?
- - ユニットの中では「風土改革チーム」を独自に組成し、様々な企画を行っていると聞きました。コロナ禍ではどんなことが行われていますか?
- - 今回「miit」を新入社員研修の一環として導入いただいたのはなぜでしょうか?
- - 導入いただいた 「miit」プログラムの詳細
- - 「miit」セッションを振り返ってみて、率直な感想を教えてください。
- - 研修後の関係性はいかがですか?具体的に誰かと仲良くなったりしましたか?
- - 社内コミュニケーションに関して、「もっとこうだったらいいのに!」という要望はありますか?
- おわりに
プロフィール
藤井隆司さん (写真右)
DXビジネスユニット・ペイメントサービスユニット ジェネラルマネージャー
2000年入社直後に産業系顧客向けのシステム開発の部署に配属。その後、金融系システム開発や、経営企画など、社内の色々な部署で、マネージャー職を歴任。2021年より現職へ。現在はキャッシュレス社会実現に向けたサービス提供を行う。
新宮あかりさん(写真中央)
中山 侑紀さん(写真左)
DXビジネスユニット・ペイメントサービスユニット 2021年度入社
>>まず最初に、藤井さんにお話を伺っていきます。
– TIS株式会社は、現在どんな事業をどれくらいの人数で進めているのでしょうか?
藤井: 独立系システムインテグレーターとしてお客様へシステム開発・運用を提供しており、2021年に創業50周年を迎えました。
世の中の変革スピードが上がっている現在は、お客様ニーズを先回りして先行投資で構築したプラットフォームをお客様やマーケットに提供する事業にも取り組んでいます。例えばキャッシュレス決済やヘルスケアのサービスなどです。
TISインテックグループ全体としては、現在グループ企業60社、社員約2万2千人、売上約4500億円の規模です。
私が統括しているペイメントサービスユニットでは、クレジット・デビット・プリペイドといった決済手段を中心にキャッシュレス社会の実現に向けたプラットフォームやモバイルアプリケーション等の提供をしています。社員約300名が所属し、オフィスは4年前からフリーアドレスが導入されていますが、コロナ禍では約7割がリモートで働いています。
– 300名規模の「コミュニケーション」。藤井さんはジェネラルマネージャーとしてどう実践されていますか?
藤井: これは、コロナ前と、コロナ禍とでは大きく変わりました。
■コロナ前:
とにかく、社内を歩き回っていました。見かけた部下に「最近どう?」と声をかけて、雑談の中で何でも話してもらい、進捗会議ではほとんどのことを知っている状況にしていたんです。直接会話することで体調の変化や悩みにも気づくことができました。
元々、会議で得られる情報は、ものすごく少ないと感じていたんです。私はマネージャーを担当することが多かったのですが、「もっと早く言ってよ!」「言ってくれたら、なんとかできたのに!」と、思うことが頻繁にありました。
そのような経験から、こちらからコミュニケーションの接点を持ち、話しやすい関係性を築くことを心がけるようになりましたね。
■コロナ禍:
現在は、私もほぼ在宅勤務なので「いかに社内でアンテナを広げるか」が目下の悩みです。
リモート会議では対面のコミュニケーションよりどうしても情報量が少なくなります。報告内容や声のトーンから何か困ってそうだと感じたら、個別に連絡を入れたりはしていますが、以前のようには行きません。
また、私は役割上社内の色々な人と接点を持つ機会があるのですが、組織の階層を降りれば降りるほど、チーム単位の活動となり、チームをまたいだコミュニケーションが難しくなっていると感じています。
– ユニットの中では「風土改革チーム」を独自に組成し、様々な企画を行っていると聞きました。コロナ禍ではどんなことが行われていますか?
藤井: まず、全社的に実施しているのは、1on1です。管理職が全員「1on1トレーニング研修」を受けた上で、各部署で展開しています。
私は1年くらいかけてコーチング研修を受けたのですが、気づきが多く衝撃を受けましたね。現在は部長層やハイエンドのマネージャーを中心に15人と定期的に1on1を実施していますが、メンバー自身が自分で気づき、成長していけるような場になることを心がけています。
また、風土改革チームとして開催している施策は「インタビュー企画」です。
組織では、上司部下のタテの繋がり、同期などのヨコの繋がりに加えて、ナナメの繋がりが大切です。社内で「この先輩みたいになりたい」という理想像に出会えたり、キャリアパスが思い描けると、モチベーションやエンゲージメントが高まりますよね。
そこで、各部の様々な役職や年次から人選をして、仕事での苦労や乗り越えた経験などをインタビューして皆でシェアしています。
– 今回「miit」を新入社員研修の一環として導入いただいたのはなぜでしょうか?
藤井: 新入社員には、配属前に新入社員研修を受けてもらっています。配属後はOJTを中心とした育成をしています。
ここ2年(コロナ禍)は、入社式や研修もオンライン開催となり、新人同士も顔見知りが少ないという話も聞きます。例えば、悩みがあっても気軽に相談できる相手がいない環境で社会人生活をスタートし、このまま5年、10年と経つとどうでしょう。「今の新入社員が会社に愛着を持って活躍できるのか?」ということに危機感を持つようになりました。
そんな中、「飲み会の代わりを探していた」というところでしょうか。
ランチでもいいのですが、やはり仕事から離れた場所で打ち解けて話すことで、ようやく「人となり」が分かったり、仕事に活きる人間関係が育つと思っているんです。
ちなみに、私が新入社員の時は、研修後に毎晩のように同期と飲んでいました(笑)
おかげで、当時160名の同期全員と会話をすることができました。今になって、同期に助けられることが多いんですよ。同期は社内の色々なところにいるので、「こんな時どうしてる?」「私はこうしてるよ〜」といった話を気軽にさせてもらっています。
研修やOJTの場では、なかなかプライベートな話ってできないんです。休憩時間にできるのは、せいぜい「プログラミングって大学でやって知ってた〜?」くらいの会話ですよね。
そんな中「miit」を知って、風土改革チームの一員である吉田拓郎さん、川野いずみさんと導入を検討することにしました。
実際に私もトライアルセッションを受けましたが、一緒に受けた顔見知りのメンバーの知らない一面を知れて、確かに写真心理学を使うと、短時間で色々なことが分かると実感したのが決め手になりました。
▲藤井さんにご参加いただいた、トライアルセッションの様子
– 導入いただいた 「miit」プログラムの詳細
>>今回導入いただいたプランは「Custamaize miit」です。
「miit」は、①写真提出 ②写真心理学診断 ③対話という3つのステップで成り立っています。今回は、以下のようなKPIを設定して、詳細なプログラムを設計しました。
①東京・大阪にいる25名全員が、お互いの顔とキャラを知り合う
②10名程度と、一歩踏み込んだコミュニケーションが行えている
これを達成するには、複数回の実施が有効だろうということになり、半日×2Daysでプログラムを構成することに。
■写真テーマ:
DAY1.「私らしい写真(学生時代の写真)」
DAY2.「ありがとうを感じたこと」「イノベーティブなサービス」
■プログラムの基本的な流れ:
※ 2. と 3. を繰り返し
■研修後のアンケートより、感想抜粋:
▼自分自身に対する気づき
・自分自身のことを深く知れてよかったです。割と几帳面で整理整頓が好きなのでその部分が写真に表れていると聞いて納得しました。
・デザインよりストーリーを意識する人だと言われて、確かにそうだと思いました
▼同期メンバーに対する気づき
・ただただ真面目そう、と思っていた人が、実は意外とはっちゃけるのが好きな人だったという気づきがありました
・第一印象では読み取ることができないような、過去や感性について気が付くことができました
▼その他の感想
・人それぞれ着眼点がちがって面白かった
・同期と話すことが出来て安心したので、自分もテレワークでさみしい思いをしていたんだなと思いました
・研修中にいきなり「交流してください」と言われた時よりいきいきしていた
■満足度:
Day1、Day2共に4.68点(5点満点中)という結果に!
▲DAY.2終了後の集合写真
>>新入社員のおふたりに、改めて「miit」について振り返っていただきました。藤井さんにも同席いただきながらインタビューを進行しました。
– 「miit」セッションを振り返ってみて、率直な感想を教えてください。
新宮: はじめ、研修の内容を聞いたときは、「楽しそう!」という印象と、「写真で一体何が分かるんだろう?」「そもそもどんな研修なんだろう?」という疑問が半分ずつくらいでした。
実際にやってみたら、単純に楽しくて。「写真」があることで、最初のきっかけが生まれたのと、一方的な想いかもしれませんが「同期と仲良くなれたなー」って感じました。
中山: この研修が終わった後に「あの研修楽しかったね〜」みたいな感想を言い合ったり、「なんであの写真提出したの?」など、この研修に関しての会話を交わしたタイミングが結構いっぱいありましたね。
– 研修後の関係性はいかがですか?具体的に誰かと仲良くなったりしましたか?
中山: 僕は車と銭湯の写真を発表したんですが、車好きのメンバーが何人かいて。
大阪メンバーとも仲良くなって、インスタ(Instagram)で繋がってます。相手から「今日ドライブしてる〜!」などとメッセージが飛んできますよ。東京に来るタイミングもあるそうなので、その時は「一緒にドライブに行こう」って話してます。
▼中山さんのお写真
新宮: 東京メンバーとのごはんで、「あの時、こんな写真あげてたよねー」って、話になることがあります。
研修のチームメンバーで集まると、話が真面目な内容になりがちで、「連絡先交換しよう」とか「遊びにいこう」とかにはなりづらいんです。やっぱり、写真や写真心理学などで話すタイミングやキッカケを無理やりつくっていただけたことがありがたかったですね。
▼新宮さんのお写真
– 社内コミュニケーションに関して、「もっとこうだったらいいのに!」という要望はありますか?
中山: 僕は、コロナが落ち着いたタイミングで、他の部署の人と積極的に飲みにいくようにしてたんです。他部署の同期に誘ってもらった飲み会では、知らない同期10人に混ざって、10回「はじめまして!」って言いました(笑)
そんな風に少しずつ社内コミュニケーションを拡げていったのですが、他部署の同期とも「miit」をやれてたら、もっと早く仲良くなれたかもしれません。
あとは、OJTの担当が入社13年目で、ちょっと年が離れているんです。例えば2年目の先輩とか、年が近い先輩とも仲良くなりたいですね。
新宮: 私も2年目の先輩と仲良くなりたいです。2年目の先輩が飲み会を企画してくれていたんですが、年明けからコロナ感染拡大が始まって、中止になってしまったんです。とても残念でした。
中山くんみたいに、自分から誘ったり、顔を広げることが出来ないので、誰かが企画してくれたり、今回の「miit」のような場を用意してくれたら嬉しいです。そしたら、喜んで「いく、いく、いく!」って手を挙げます(笑)
藤井: オンライン飲み会とか、リモートでの交流はどう?
中山: もしやるとしたら、4名が限度だよねって話してます。でも、「飲み」は対面じゃないとあまり意味がないのでやらないですね。
新宮: 一度、中山くんが企画してくれて、オンラインでボードゲーム大会を開いたのですが、みんな喋りたいことがあり過ぎて、すごいことになっていました。
藤井: オンライン飲み会は人数が多いとうまくいかないなぁと思ってたけど、難しいのは、若者でも一緒なんだね。年齢のせいじゃなかった(笑)
>>社内の関係性づくりに真正面から向き合っていらっしゃる藤井さん。最後に、今後の社内コミュニケーションについて、感じていることを語っていただきました。
藤井: 私のOJT担当は入社4年目の先輩だったのですが、先輩に対しては仕事の相談はできても、何でも本音で話せる感じではなかったことを思い出しましたね。
みんなが中山くんみたいに、自分で関係性を拡張できるわけではないですし、会社としてできるフォローは積極的にしていきたいです。
人との繋がりは、すぐ結果に結びつくものではありません。人と繋がって、楽しく仕事をしていると、いつか助け合えることもある。雑談の中で、ふと、社会課題に気づくこともある。
それらは大きな目でみると「結果」ではあるけれど、「役に立つから、繋がろう」というものではないんですよね。
社会とは、そもそも人と人の繋がりで出来ていて、丁寧に繋がりを紡いでいく「過程」の中で、いい仕事、組織の構造改革、更には社会課題を解決するビジネスなどが生まれるのかもしれません。
そういう目で観ると、今回の「miit」の成果も、ひょっとしたら10年経ってみて初めて分かることなのかもしれませんね。
10年後を見据えながら、人と人が繋がる取り組みをますます大切にしていこうと思います。
おわりに
今回のインタビューでは、「オンボーディング」を一つの切り口にお話を伺おうと思っていたのですが、自然に「社内コミュニケーション」の話へと発展していきました。
「オンボーディング」はもちろん、続いていく社内コミュニケーションの活性化や深化の一助を担えるように、我々もサービスをアップデートしていきたいと思います!