写真を撮る際に「被写体に何を選ぶか」には、その人のセンスが現れます。まだまだ暑さが続く毎日ですが、確実に日の長さは短くなってきて、また秋が巡ってくることでしょう。そうなれば、美しい紅葉を撮影される方も増えるのではないでしょうか。
ところで、自然を好み、自然の様子に心が動かされて思わず写真を撮ってしまう…。そんな、自然美に対する感受性が強い人は、レジリエンス力やWell-beingが高いという心理学のレポートがあります。
自然とWell-beingの関係
先行研究では、「自然との繋がりが多い人ほど、主観的な幸福感が強い」という相関関係が示されているわけですが、そうなると、「自然へ関与することで、Well-beingが高まるのだろうか?」という因果関係が気になります。
そこで次に、個人の「自然との繋がり」を測る尺度と「美的な対象物に対して、どの程度エモーショナルになるか」を測る尺度がつくられ、研究が行われました。
その結果、自然美への感受性が高ければ高いほど、主観的幸福感が高かったということ。さらに自然の美を知覚しやすい個人は、生活満足度や感謝の気持ちが強く、また、物質主義的傾向が少ないと報告されています。(Diessner et al.、2008)
また「自然の美を知覚する傾向」は「外向性」と「感謝」とも相関しているそうです。(Diessner、Iyer、Smith、&Haidt、2013)
自然美に琴線が触れること
自然を主体的に感じることが、ポイントとなっていそうです。つまり、「自然の中にいれば良い」のではなく、自然の様子に心が震えること。そうした感受性が強ければ、強いほど、幸福な感覚が得られるということですね。
こうした自然美を感じるには、写真はうってつけのツールです。
その際には、風の匂いや心地よさ、キラキラとしたおひさまの光や日陰の様子、冬支度を始めている葉っぱの色味などにたくさん気づきながら、そして自然の様子を身体中で感じて、脳みそのすみずみまで行き渡らせて、みんなでWell-being力を鍛えましょう!(免疫力も高まりそうだから、インフルエンザ対策にもなるはず!)
出典元:Jia Wei Zhang